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日本銀行理事から経営破綻(はたん)した日本長期信用銀行の頭取に転じた安斎隆氏=2025年7月18日、東京都文京区、稲垣千駿撮影
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 SBI新生銀行が、バブル崩壊後に国から注入された公的資金を完済し、返済が残る銀行はなくなった。34行に計12兆円もの資金が注入された平成の金融危機が、ようやく節目を迎えた。危機のまっただ中にいた2人の元経営者が当時を振り返り、残された教訓を語った。

■元日銀理事で、日本長期信用銀行(現SBI新生銀行)が破綻(はたん)後に頭取を務めた安斎隆氏

 ――バブルの予兆は感じていましたか。

 「1985年のプラザ合意後、(ドル高是正で)円高が進んだことを受け、金融緩和が始まった。初めはバブルではなく、経済が良くなるという感じで、地価や株価が上がった。僕は日本銀行の考査局にいたが、金融緩和の連続の中、不動産投資が目立ち始めた」

 「88年あたりは相当、深刻になっていた。日本債券信用銀行(後に破綻、現あおぞら銀行)にも考査に入り、評価を高くして終わったが、失敗だった。ほめるべきではなかった」

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